心配事が頭から離れない。
まだ起きていないことが気になり、何度も考えてしまう。
不安で落ち着かなかったり、気持ちが休まらなかったりする。
このような状態が続くと、「自分の不安は強すぎるのだろうか」「専門家に相談した方がよいのだろうか」と気になることがあるかもしれません。
不安の程度を振り返る方法の一つに、GAD-7という質問票があります。
GAD-7で何がわかるのか、点数をどう見ればよいのか、相談を考えるのはどのようなときかを紹介します。
GAD-7とは?
GAD-7(Generalized Anxiety Disorder-7)は、不安症状の程度を評価するための7項目からなる自己記入式質問票です。
全般性不安症(Generalized Anxiety Disorder:GAD)のスクリーニング(症状の有無や程度を確認し、詳しい評価が必要かを検討すること)や、症状の程度を把握するために用いられます。
GAD-7では、過去2週間の不安や心配などについて振り返ります。回答を点数化することで、現在の不安症状の程度を把握する参考になります。
ただし、GAD-7は全般性不安症を確定診断するためのものではありません。点数だけで病気の有無が決まるわけではないため、自分の状態を振り返るための目安として活用しましょう。
GAD-7でセルフチェックする方法
GAD-7の日本語版は、日本不安症学会のウェブサイトで公開されています。
質問票では、過去2週間の不安や心配などについて回答し、各項目の点数を合計します。また、不安症状によって仕事や家事、人間関係などにどの程度の困難が生じているかを確認する項目もあります。
質問項目や詳しい使用方法については、以下の公式資料をご確認ください。
GAD-7の点数の見方
GAD-7は、7項目の合計点で不安症状の程度を評価します。合計点は0~21点です。
日本不安症学会が公開しているGAD-7日本語版(2025)の使用方法では、合計点は次のように区分されています。
| 合計点 | 症状の程度 |
|---|---|
| 0~4点 | 軽微 |
| 5~9点 | 軽度 |
| 10~14点 | 中等度 |
| 15~21点 | 重度 |
10点以上の場合は、全般性不安症の疑いがあるとされています。ただし、これは診断を確定するものではなく、症状について詳しく確認するための目安です。
診断では、不安の内容や持続期間、日常生活への影響などを確認し、ほかの病気や要因の可能性についても検討します。
また、点数が低くても、本人が強い苦痛を感じていたり、仕事や家事、人間関係などに支障が生じていたりすることがあります。
そのため、点数だけで相談の必要性を判断しないことが大切です。
全般性不安症とは?
全般性不安症は、仕事や健康、家族、将来のことなど、さまざまな事柄について心配が続き、その心配を自分でコントロールすることが難しくなる不安症です。
誰でも日常生活のなかで心配することはあります。しかし、全般性不安症では、心配が長く続いたり、次々と別の心配事が生じたりして、日常生活に影響することがあります。
例えば、次のような状態がみられることがあります。
- さまざまなことが気になり、心配が止まらない
- 悪い結果を想像し、何度も考え続けてしまう
- 心配のために集中しにくい
- 緊張が続き、気持ちを休めることが難しい
- 不安に伴って疲れやすさや睡眠の問題などが生じる
こうした症状があるからといって、必ずしも全般性不安症とは限りません。ほかの不安症や身体の病気などでも、似た症状が生じることがあります。
全般性不安症の診断では、症状の内容や持続期間、生活への影響などを確認し、ほかの病気や要因についても検討します。
全般性不安症の認知行動療法(CBT)について詳しく知りたい方は、こちらの記事もご覧ください。
→全般性不安症への認知行動療法|心配が止まらない悪循環と対処法
GAD-7の点数にかかわらず、相談を検討してよい
セルフチェックをしても、相談した方がよいのか判断に迷うことがあるかもしれません。
そのようなときは、点数だけでなく、次のような点も振り返ってみましょう。
- 心配や不安が続き、気持ちが休まらない
- 不安のために睡眠や仕事、家事などに影響が出ている
- 心配を減らそうとしても、自分ではうまく調整できない
- 不安を避けるために、行動や生活の範囲が狭くなっている
- 不安への対処に多くの時間やエネルギーを使っている
このような状態が続いているときは、GAD-7の点数にかかわらず、医療機関やカウンセリングルームなどで自分の状態を相談してみてもよいでしょう。
相談することは、必ずしも病気と診断されることを意味しません。自分の状態を整理し、どのような対応が役立つのかを一緒に考える機会にもなります。
まとめ
GAD-7は、不安症状の程度を振り返るために用いられる質問票です。全般性不安症のスクリーニングや症状評価の参考になりますが、点数だけで診断が決まるわけではありません。
不安が続いているときは、点数だけでなく、本人のつらさや日常生活への影響も大切な判断材料になります。
セルフチェックをきっかけに自分の状態を振り返り、必要に応じて専門家への相談を考えてみてください。
不安症には、全般性不安症のほかにも、社交不安症やパニック症などがあります。不安症全体の特徴や、心配性・考えすぎとの違いについて知りたい方は、こちらの記事もご覧ください。
参考文献・資料
- 日本不安症学会.GAD-7日本語版(2025)および使用方法.公式PDF
- Muramatsu K, Maeda S, Miyaoka H, et al. Diagnostic Performance of the Japanese Version of the GAD-7 in Primary Care and Comparing its Accuracy with Other Language Versions. Medical Research Archives. 2025;13(1). https://doi.org/10.18103/mra.v13i1.6247
