認知行動療法(CBT)ってどんなもの?

認知行動療法ってどんなもの?悪循環のイラスト

「認知行動療法って、自分でもできるの?」
「具体的には、どんなことをするの?」

認知行動療法(CBT)について調べていると、「自分でできる」「簡単にできる」といった情報を目にすることがあります。

認知行動療法では、悩みやストレスを感じているときに、考え方や行動、周囲の環境などを整理し、負担を大きくしている悪循環を見つけていきます。

そのうえで、「今の自分にできることは何か」を考えながら、少しずつ対処方法を身につけていきます。

認知行動療法(CBT)は、さまざまな悩みやこころの問題に用いられているカウンセリング・心理療法です。この記事では、認知行動療法の特徴や、実際にどのようなことをするのかを紹介します。

認知行動療法が自分に合うのか、取り組むうえでどのようなことを知っておくとよいのか気になる方は、こちらの記事も参考にしてください。

関連記事:認知行動療法(CBT)が向いていない人とは?よくある誤解と実際のところ

この記事のポイント

  • 認知行動療法(CBT)はどのようなカウンセリングか解説
  • 認知行動療法のメリットについて
  • 認知行動療法での悩みやストレスの整理の仕方

認知行動療法にはどんな良さがあるの?

認知行動療法には、大きく3つの良さがあります。

症状の改善と再発防止

認知行動療法は、仕事の悩みや対人ストレスだけでなく、うつ病や不安症など、幅広い精神疾患に用いられており、症状の改善や再発防止に効果があることがわかっています。複数の国の治療ガイドラインでも推奨されています。

詳細はこちら:認知行動療法が効果的とされる疾患一覧

薬物療法とは異なるアプローチで改善を目指す

精神疾患では、薬物療法と心理療法がそれぞれ大切な役割を持っています。

薬物療法は、薬によってつらい症状を和らげていく方法です。

一方、認知行動療法では、悩みやストレスが生じる背景を整理し、考え方や行動、環境との関わり方を見直しながら、日常生活で役立つ対処法を身につけていきます。

このように、薬物療法とは異なるアプローチで改善を目指すため、薬物療法だけでは十分な改善が得られない場合にも、認知行動療法を検討することは一つの方法です。

関連記事:薬と認知行動療法(CBT)は何が違う?役割の違いを臨床心理士が解説

副作用がほとんどない

認知行動療法には、薬物療法のような薬理学的な副作用がほとんどありません。そのため、薬を使うことに不安を感じる方にとっても、認知行動療法は選択肢の一つになります。

認知行動療法には、幅広い問題や症状への効果が認められていること、薬物療法とは異なるアプローチで改善を目指せること、薬理学的な副作用がほとんどないことなどの良さがあります。

薬物療法とは異なるアプローチを知りたい方は、認知行動療法を検討してみるのも一つの方法です。

認知行動療法では何をするの?

認知行動療法では、目に見えないストレスや心の不調を、「整理して見える化する」ところから始めます。その際によく見るのが、

  • 環境の要因
  • 個人の要因

の2つです。

環境の要因

たとえば、「ちゃんとできない、怠けているからだ」という相談があったとき、話を聞いていくと、

  • 仕事量が多すぎる
  • 責任や締め切りのプレッシャーが強い
  • 人間関係のトラブルが多い
  • 介護や育児に追われている

など、環境そのものが大きな負担になっていることがあります。このようなつらい状況では、本人の努力だけではなんとかならないことがよくあります。

そのため、今の環境の中で無理が続いていないかを一緒に整理して、必要に応じて、

  • 業務量を調整する
  • 休みをとれるように調整する
  • 周囲との関わり方を調整する

と、つらい状況を変えることで負担を減らす方法を考えます。「ちょっと楽になった」と感じることができると、何かをしてみようと意欲が回復することも少なくありません。

個人の要因

一方で、環境だけでなく、考え方や行動がつらい気分や体の状態に影響していることもあります。
たとえば、

  • 自分のせいだと責めてしまう
  • つらい気持ちを抱え込んでしまう
  • 疲れていても休まず頑張ってしまう
  • 気分が落ち込むと、何もする気になれなくなってしまう
  • 失敗しないように、自分を追い込みすぎてしまう
  • 不安になると、できるだけ避けようとしてしまう
  • 不安を抑えるために、何度も確認したり、安心できる方法を繰り返したりする

といった考え方や行動のパターンが、つらさを長引かせていることがあります。一人で考えると、どうしても「何とかしないと」「何とかならないのは自分のせいだ」と思ってしまう人が少なくありません。

こうした問題に対して、認知行動療法では「前向きに考えましょう」と無理に考え方を変えようとはしません。なぜそのような考え方や行動パターンが生じているのかを一緒に整理しながら、今の状態でもできる工夫を探していきます。

実際のカウンセリングでは、悩みやストレスの悪循環をどのように整理し、どのような工夫に取り組んでいくのでしょうか。具体的な流れを知りたい方は、こちらの記事も参考にしてください。

関連記事:[うつ病のカウンセリング体験記|認知行動療法(CBT)の進め方]

「認知行動療法(CBT)は自分にも合うのかな?」と思った方は、次の記事で、CBTが効果を発揮しやすい症状や疾患について詳しく紹介しています。

次の記事:認知行動療法が効果的とされる疾患一覧

なお、認知行動療法はカウンセリング(心理療法)の一つです。カウンセリングそのものについて知りたい方は、こちらの記事も参考にしてください。

関連記事:カウンセリングとは?自分の心の声に気づき、自分らしく生きるための対話

執筆者

臨床心理士・公認心理師
医療・教育・司法・産業など幅広い領域で、20年以上心理支援に従事。
認知行動療法(CBT)を中心とした心理支援を行っています。
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